「うちのインターネットは遅い気がする…」「もっと安くならないかな?」「光回線って種類が多すぎて、どれを選べばいいか分からない!」
日々進化するインターネット環境において、光回線選びは非常に重要です。しかし、ドコモ光、ソフトバンク光、auひかり、NURO光など、数多くのサービスが溢れており、結局何が違うのか、自分に最適な回線はどれなのか、判断に迷ってしまう方がほとんどではないでしょうか。
本記事では、一見複雑に見える日本の光回線サービスをわずか4つの種類に分類し、それぞれの特徴、メリット、デメリットを徹底的に解説します。この記事を読めば、もう光回線選びで失敗することはありません。「料金の安さ」「通信速度」「安定性」といった、あなたが最も重要視するポイントに応じて、最適な回線を見つけることができるはずです。
光回線が「4種類」に分類される理由:アクセスラインの特殊性
まず、なぜ日本の光回線サービスがこんなにたくさんあるように見えて、実はたった4種類に分類できるのか、その根本的な理由を解説します。
光回線サービスは、光ファイバーケーブルをインターネットプロバイダーから電柱などを伝って、あなたの自宅まで物理的に引き込む仕組みです。この「電柱から自宅まで」の物理的な接続部分を「アクセスライン」と呼びます。このアクセスラインをゼロから全国に構築するには、電柱の設置、土地の購入など、国レベルの莫大な費用と労力がかかります。
これが可能だったのは、元国営であり、すでに電話回線を通すための電柱設備(インフラ)を持っていたNTTだけでした。このNTTのアクセスライン(フレッツ光)を、他の事業者が借り受けてサービスを提供しているため、回線の種類が限定されることになります。
光回線は、このアクセスラインの提供元や、サービスの形態によって以下の4つに大別されます。
1、フレッツ光系
2、光コラボレーション系(光コラボ)
3、電力会社系
4、ダークファイバー系
これらの特徴を理解することが、失敗しない光回線選びの第一歩です。
1. フレッツ光系:安定性と信頼性の最大手
概要と特徴
「フレッツ光」は、NTT東日本・NTT西日本が提供する、日本における光回線サービスの最大手です。
・顧客サポート: 無料の電話サポートなど、充実したサポート体制も強みです。
・回線エリア: 日本のほぼ全てのエリアに対応しています。
・通信の安定性: 圧倒的なシェアと歴史に裏付けられた、非常に安定した通信品質を誇ります。
デメリット:料金とプロバイダー契約
フレッツ光の最大の特徴にしてデメリットとなるのが、「回線契約」と「プロバイダー契約」が分離している点です。
・料金が割高: 回線利用料に加え、別途プロバイダー利用料が必要になるため、他のサービスと比較して月額料金が割高になる傾向があります。
・二重契約の煩わしさ: 契約窓口が二つになるため、手続きやトラブル発生時の対応も煩雑になりがちです。
これは、NTTがアクセスラインを独占することによる弊害(独占禁止)を防ぐため、NTT法という法律でプロバイダーとのセット提供が禁止されているためです。
こんな人におすすめ!
・安定性・信頼性最優先の人
・電話サポートなど、サポート体制を重要視する人
2. 光コラボレーション系:料金の安さとスマホセット割が魅力
概要と特徴
「光コラボレーション(光コラボ)」とは、NTTが持つフレッツ光の回線設備を、ドコモやソフトバンクなどの事業者が借り受けて、独自のサービスとして提供している形態です。
・回線品質: フレッツ光と全く同じ回線を使用しています。そのため、通信の安定性も非常に高いです。
・プロバイダー一体型: 回線とプロバイダー契約がセットになっており、支払い窓口も一つで済みます。これにより、フレッツ光よりも料金がお手軽になることが多いです。
・乗り換えが簡単: 元々フレッツ光を利用していた場合、工事不要で乗り換え(転用)が可能です。
最大のメリット:スマホとのセット割引
光コラボの最大の魅力は、各事業者が提供する**「スマホとのセット割引(スマホ割)」です。
代表的なサービス例:
・ドコモ光: ドコモユーザーは「ドコモスマホ」とのセット割
・ソフトバンク光: ソフトバンク・Y! mobileユーザーは「おうち割」
・楽天ひかり: 楽天モバイルとのセット割
・ビッグローブ光、OCN光など
ご自身が契約している携帯キャリアと合わせることで、家族全員のスマホ代が大幅に割引され、トータルでの通信費を大きく抑えることができます。
こんな人におすすめ!
・フレッツ光から簡単に乗り換えたい人
・料金の安さ
・お手軽さを重要視する人
・携帯キャリアの「スマホセット割」を利用したい人
・フレッツ光から簡単に乗り換えたい人
3. 電力会社系:エリア限定ながら混雑しにくい高速回線
概要と特徴
NTTのアクセスライン以外で、光回線サービスを提供できるのは、電柱などのインフラを持つ**「電力会社」です。電力会社系回線は、その地域で電気を供給している会社が提供しています。
・回線エリア: その電力会社が電気を供給するエリアに限定されます。
・通信速度: 利用者が比較的少ないため、回線が混雑しにくいという特徴があり、通信速度が速いと言われています。
・セット割引: 電気契約とセットで契約することで、光回線料金が割引されるプランがあります。
代表的なサービスとエリア
・コミュファ光: 中部電力(東海地方)
・eo光: 関西電力(近畿地方)
・ピカラ光: 四国電力(四国地方)
・BBIQ光: 九州電力(九州地方)
・メガ・エッグ光: 中国電力(中国地方)
・auひかり (一部): 電力会社系ではないが、auとのセット割が利用可能
※注意点:東日本での展開
この電力会社系サービスは、現状東日本には一つもありません。これは、NTT東日本と電力会社との間で、電柱の共有に関する問題があるためと言われています。
こんな人におすすめ!
・対応エリアに住んでおり、速度を重視したい人
・電気契約とまとめてセット割引を利用したい人
4. ダークファイバー系:速度最優先!オンラインゲーマー向け
概要と特徴
「ダークファイバー」とは、NTTが将来的な拡張や予備用として敷設したものの、**現在は使用していない光ファイバーケーブル(予備回線)を指します。この未使用の回線を借り受けてサービスを提供しているのが「ダークファイバー系」です。
・通信速度: 回線を自社で独占的に使用できるため、他社回線との混雑がなく、圧倒的に通信速度が早いことが最大のメリットです。特に高規格な回線(例:下り最大2Gbpsなど)を提供していることが多いです。
・代表的なサービス: NURO光、auひかり(一部エリア)の2つが有名です。
デメリット:エリア・工事・費用
ダークファイバー系は速度が速い一方で、デメリットも大きいため注意が必要です。
1.エリアが限定的: 使える地域が限られており、全国どこでも使えるわけではありません。
2.開通工事に時間がかかる: フレッツ光の設備を使えないため、新規の開通工事が必要になり、工事が複数回にわたることが多いです。NURO光のウェブサイトでは、申し込みから開通まで通常1ヶ月〜3ヶ月ほどかかると案内されています。
3.撤去費用が高額になるリスク: 集合住宅(マンション・アパート)では専用設備が必要なことがあり、また、引越しなどで解約する際、設備撤去が義務付けられており、その費用が高額になるケースがあります。
こんな人におすすめ!
・通信速度を最優先したい人
・オンラインゲーム(eスポーツなど)を頻繁に行う人
・日常的に大容量ファイルの送受信を行う人
あなたに最適な光回線を選ぶための3つのチェックポイント
光回線選びで失敗しないためには、ご自身の利用目的と、4種類の回線の特徴を照らし合わせることが重要です。
| 重視するポイント | 最適な光回線 | サービス例 | 特徴 |
| 料金の安さ・お手軽さ | 光コラボ系 | ドコモ光、 ソフトバンク光 | スマホセット割で家計全体の通信費を抑えられる。プロバイダー一体型で手続きが楽。 |
| 通信速度・性能 | ダークファイバー系 | NURO光、 auひかり(一部) | 独自回線で混雑が少なく、オンラインゲームや高画質動画に最適。エリア限定・工事が必要。 |
| 通信速度・地域割 | 電力会社系 | eo光、コミュファ光 | 独自回線で混雑が少なく、オンラインゲームや高画質動画に最適。エリア限定・工事が必要。 |
| 安定性・信頼性 | フレッツ光系 | フレッツ光 | 全国対応、サポート充実、通信の安定性が非常に高い。ただし料金は割高になりがち。 |
失敗しないための最終アドバイス
最終的な光回線の選択は、「予算」「お住まいの場所(エリア)」「利用目的(速度の必要性)」によって異なります。
1、料金と手軽さ重視なら「光コラボ」: 大多数の一般ユーザーにとっては、工事の手間が少なく、料金面でも優位なスマホ割が使える光コラボが最もおすすめです。
2、速度最優先なら「ダークファイバー系」or「電力会社系」: 速度が遅いと致命的な影響が出るヘビーユーザー(ゲーマーなど)は、エリアが限定されるという欠点を許容できるなら、これらの回線を選ぶべきです。
3、エリア・集合住宅の確認を忘れずに: 特に電力会社系やダークファイバー系は、お住まいのエリアや、マンション・アパートといった集合住宅の設備状況によって導入できない場合があります。必ず事前に確認しましょう。
この情報が、あなたの光回線選びを成功へと導く助けとなれば幸いです。


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